突撃!!お仕事リサーチ!![第5回] Live House nano ~ボロフェスタ編~

2018/09/20 Teenage Kicks

TEENAGE KICKSを支えていただいている企業に突撃し、その企業が普段どんな仕事をされているのかをリサーチする企画『突撃!!お仕事リサーチ!!』

第5回目である今回は、 Live House nano 店長 そしてボロフェスタ主催者の1人、”モグラ”こと西村雅之さんにボロフェスタのことについて話を伺ってきました!!

「京都で音楽やってるんやし、西部講堂でなんかやりたいね。」って話になったんよね。

ーーーまず、どういう経緯でボロフェスタを始めることになったんですか。

モグラ:京都には西部講堂っていうすごくかっこいい場所があって、昔からBO GUMBOSやソウル・フラワー・ユニオンみたいな京都や関西を中心に活躍してるすごいかっこいいバンドはそこでライブをするねん。それで、同じサークルの後輩のゆーきゃんっていうシンガーソングライターと、「京都で音楽やってるんやし、西部講堂でなんかやりたいね。」って話になったんよね。

ーーー最初は、2人で始められたんですか?

モグラ:言い始めたのは2人なんだけど、そこに、加藤隆生っていう今はリアル脱出ゲームとかやってる会社(株式会社SCRAP)で社長やってる人とLimited Express(has gone?)っていうバンドでギターを弾いててOTOTOYってサイトの編集長やってる飯田仁一郎が、俺とゆーきゃんの考えに同調してくれて、『ボロフェスタ』ができた。

ーーーそれが第1回の2002年ですね。

モグラ:そう。飯田がメジャーアーティストも呼ぼうって言って、その年はギターウルフとクラムボンにヘッドライナーを務めてもらった。

ーーーそれから6年間、西部講堂で開催された後、2008年はLive House nanoと京都 CLUB METROと鴨川河川敷で行われましたよね。西部講堂とは、全く違う環境なわけですが、その年はどうでしたか。

モグラ:あの年は、nanoで5日間やって、その後、METROで2泊3日で昼からオールナイトでやったねん。

岡本:オールナイトですか!?すごいですね。

モグラ:すごいっていうか、もうちょっと…引くよね。 その時も、俺はMCやってたんやけど、最終日の朝とか「ボロフェスタ8日目!!」とか言ってて、自分でも「8日目ってなんや!?」って思ったもん。そのムチャクチャな感じは、ボロフェスタらしいっちゃボロフェスタらしいけど、でもやっぱり規模的にボロフェスタじゃなかったかな。ボロフェスタ始めた頃って、日本のフェス黎明期やってさ。「でっかいことやろや!」みたいな感じもモチベーションの一つやったから。

ーーーその年は全く違うものになったんですね。

モグラ:やっぱり違ったな。「あれをボロフェスタって言うのはどうなん?」って意見があったりもしたし、やっぱりでかいところでやりたいなって思った。それで、2009年からはKBSホールでやるようになった。

こちらが、ボロフェスタの時のモグラさん。すごく楽しそうです。

そのステージの上から笹かまが撒かれてるねん。

 

ーーー今年でKBSに移って10年目なるわけですけど、鮮明に記憶に残ってる出来事ってありますか?

モグラ:俺ら自身も目標とすることすらやめておこうっていうぐらい奇跡が起きたのが、2013年に大阪アンダーグラウンドのレジェンドって言われてるノイズのバンドの非常階段ってバンドと、その時すごい勢いがあったBiSがコラボして『BiS階段』としての曲もライブでやってくれたんやけど、その年のトリのソウル・フラワー・ユニオンのアンコールで、その『BiS階段』が出てきて『ソウルフラワーBiS階段』をやったねん。

ーーーすごいアツい展開ですね。

モグラ:そうそう。非常階段の人も、BiSのみんなもステージにあがってきてさ、ソウル・フラワー・ユニオンの曲で非常階段のノイズがずっと鳴ってて、BiSはもうめちゃくちゃになって踊ってフロアに出て客の上に乗ったり踊ったりって感じで。(笑)さらにすごかったのが、その年は、 ソウル・フラワー・ユニオンのボーカルの中川敬さんと交流のある東北の笹かま屋さんが、トークイベントのゲストとして来てたんやけど、そのソウルフラワーBiS階段の時に笹かま屋さんもステージに上がって来てさ、それで何が始まるのかというと、そのステージの上から笹かまが撒かれるねん。(笑)

ーーー笹かまがですか!?紙吹雪じゃなくて!?

モグラ:そう、笹かまが。それで、これは行くとこまで行こうって、空いてるステージにはボロフェスタのスタッフが全員上がってもうお祭り騒ぎになってさ。今思い返してみると、そのライブが本当に俺たちがやりたかったカオスってやつやったな。ボロフェスタって一筋縄でいく予定調和をどう崩して事件を起こすかっていうのを大事にしていて、そういうハプニングが起きないと面白くないっていうボロフェスタイズムみたいなのがあるねんな。けど、もうその年は、そんな予想だにしてへん事件が起きて、チケットも全日ソールドアウトしてたし「今年はやってやった!」って一瞬思ったけど、その後すぐ「やってしまったなぁ。」って後悔した。あれに勝るのは無理やし、あれに近付こうとするのも間違いやから、「あれはあれで一つの事件で最高やったなで留めておいたほうがいい。」っていう風に思うくらいのことが起きたね。

 

ーーー予定調和にない事件が起きてこそのボロフェスタなんですね。

モグラ:そうやねぇ。そういうところはあるよねぇ。

ーーーハプニングありきの。

モグラ:ハプニングありきというか、全部がハプニングであればいいと思ってる。例えば、メジャーインディー問わず地元の無名のバンドに愛情だけで一番小さい地下のステージに出てもらったりするのね。それで、著名なバンドを見に来た人が、全然知らんかったバンドを偶然見て、それ以来、そのバンドのライブに行くようになるとか、メジャーしか好きじゃなかったけどインディーも好きになるっていうことも1つの事件やと思うから。

ごった煮やけどめっちゃおもしろいっていうのを目指してる。

ーーーボロフェスタにはここ数年、でんぱ組.incやBiSHなどのアイドルが出演していますが、モグラさんなりのロックフェスにアイドルを呼ぶ意図をおしえてください。

モグラ:単純に今のアイドルが面白いカルチャーやったからかな。飯田が「今はアイドルがおもしろい。」って言ってて、飯田は仕事柄新しいカルチャーに対するアンテナがすごくて、俺らも飯田のそういう感覚は信頼してるから呼んでみようって、BiSにナノボロフェスタと地下のステージで出てもらったんよ。その時に、お客さんも含めて、そのアイドルが凄いエネルギーを生んでいるっていうところを実感して、それで毎年出てもらうようになったかな。

ーーー確かに、呼ばれてるグループはどのグループも熱量がすごいアイドルですもんね。

モグラ:そうそう。だから、「アイドルを呼んどこう」っていうよりは「今年はどのアイドルを呼ぼう」っていうのが重要で、そこは、そういうことに関して一番アンテナ張ってる飯田とか、アイドルが出てるからって来てくれてる若いスタッフのアンテナも大事にするかな。2017年に出てくれた虹のコンキスタドールは、その若いスタッフが言ってくれて出演してもらうことになったアーティストやねん。

ーーーボロフェスタは、血の通ったブッキング(出演依頼)であったり、地元だから京都のバンドを呼ぼうっていう意識が強い中で、アイドルは特異な存在ではあるじゃないですか。

モグラ:でもアイドルのお客さんは、いい意味で沸点が低くってそのイベントを楽しんでくれるのよね。「自分が応援してるアイドルを呼んでくれたこのイベントはなんなんやろう。」って興味を持ってくれる感じがする。それに何より、BiSHのアイナ・ジ・エンドぐらい歌うまい人、他に滅多におらへんしな。(笑)

ーーー旬な面白いものを取り入れて、うまくそこで化学反応させてるんですね。

モグラ:でも、今面白いものに飛びつくだけじゃなくて、音楽ファンがちゃんと納得するラインナップにはしたいし、それでもアイドルみたいに面白くて盛り上がってるものを無視せずにいろんな毛色のアーティストをクロスオーバーさせて、ごった煮やけどめっちゃおもしろいっていうのを目指してる。難しいねんけどね。それでお客さんがきてくれるかどうかっていうのは。

やっぱり今までのストーリーを信じてMOROHA呼んで良かったって思ったな。

ーーーブッキングの話が出ましたが、今年出演のアーティストで特に思い入れの強いアーティストは他にいますか?

モグラ:ボロフェスタのブッキングには、色んなストーリーがあってさ。その中で一番印象的やなって思うのがMOROHAかな。2011年に、はじめてナノボロフェスタにMOROHAが出るんやけど、ライブ中のパフォーマンスで、その年のボロフェスタに呼ばれてないことをMCで言って客を盛りあげててさ。それが様になってたから、俺はすごくその年のボロフェスタにも呼びたかったんやけど、その時は、まだバンドとして知名度が全然小さかったから、結局呼べなかったんよ。それからMOROHAの人気が出て来て、ボロフェスタのロビーのステージに出て欲しいって連絡したんやけど、その時、MOROHAはメインステージ以外のフェスの出演は断ってて、結局出てもらえなかったんよね。

ーーーそうなんですね

モグラ:その後、一昨年にMOROHAがリキッドルーム(恵比寿LIQUIDROOM)のワンマンのチケットを売り切って、「MOROHAにメインステージで出てもらおう。」ってなって、そのリキッドルームのライブが終わってからすぐ誘ったら、すでに決まってたツアーのスケジュールずらして出てくれた。

ーーースケジュールずらしてですか!?

モグラ:そう。それで、続けて昨年も出てもらったんやけど、その時に、MOROHAがライブ中に、「一番美しい顔をしてるのは誰かわかるかぁ!?表にあるでっかい看板書いてるヤツの顔なんだよ!!」みたいなことを言ってさ。その”表にあるでっかい看板書いてるヤツ”っていうのはスタッフのことでさ、スタッフが笑顔であるっていうところは、ボロフェスタが一番大事にしてることでさ。その言葉を聞いた時に、やっぱり今までのストーリーを信じてMOROHA呼んで良かったって思ったな。それで、メジャーに進出して更にでかくなったから今年もMOROHA呼んで、トリで出てもらうことになったんやけど。

ーーー血の通ったブッキングが多いボロフェスタだからこそのストーリーですね。

モグラ:血の通ったブッキングであるし、「売れてるからこれ呼んどけばいい。」じゃなくって、ちゃんとボロフェスタとの関係性だとか、まだ関係性がなくても向こうがボロフェスタに対して思い入れがあるとか「お金じゃない!」とは絶対言えへんけど、そういう人とのつながりを大事にしたブッキングでありたいとは思う。

看板などの美術も全てスタッフさんが作ってらっしゃいます!

そういう、自分たちが好きにできる限界の大きさがここなのかもね。

ーーー今はKBSホールの1000人規模でやってらっしゃいますが、次のステップアップは考えてないんですか?

モグラ:考えてないね。でかいことをやろうと思ったらできるかもしれないけど、インディーのバンドたちを無視できないっていうところはある。これは俺の考えやけど、「ナノ(LIve House nano)の次にはボロフェスタがあるよ。」っていうのを見せてあげたいって思ってて、このキャパじゃないと俺のやりたいことはできないかもしれないなぁ。って思ってる。

 

KBSホールのステンドグラスはすごく綺麗で、すごくライブ映えします!

ーーー逆に大きくなりすぎるとnanoから出てくるアーティストが呼べない。

モグラ:そういうわけでもないんだけどね。実際クリープハイプが出演してくれていたり。出演するミュージシャンをはじめ、お客さんとかスタッフ、オーガナイザー、その場にいるみんなが作ってるっていうのを見せれるキャパっていうのがKBSくらいのキャパなのかもしれない。

ーーーそれもDIYフェスだからこその思いですね。

モグラ:ボロフェスタは、毎年、トリのアーティストのライブが終わった後に、エンドロールを流すんだけど、その中でスタッフが仕込んでる時の画像を出してスタッフの顔を見せたり、スタッフの名前を全員分載せたりして、それをちゃんと見て欲しいって思うのは、「主催者だけが作ってるんじゃなくてみんなで作ってる。」っていう思いをちゃんと大事にしてるからやし。そういう、自分たちが好きにできる限界の大きさがここなのかもね。

ーーーボロフェスタ17年目、20周年も見えてきましたけど20年に向けての展望とかってありますか。

モグラ:長いことやっていたら、いろんな事情で抜けて行く人もいるけど、今までおった人も新しく来てくれる人も同じ熱量でボロフェスタに関わりたいって思ってもらえる様なイベントでありたいと思う。20周年だからとかじゃなくてこれから先もずっと、帰ってきたいと思える熱と新しくあそこに混ざってみたいと思える熱のあるボロフェスタでありたいね。

 

 

 

著・岡本海平

ボロフェスタ 2018
2018年10月26日(金)、27日(土)、28日(日)
@京都KBSホール/京都 CLUB METRO

LINE UP
26日(金)
MOROHA/打首獄門同好会/fox capture plan/ナードマグネット/King Gnu…and more
27日(土)
岡崎体育/OGRE YOU ASSHOLE/toe/Polaris/tofubeats/Homecomings/ミツメ/思い出野郎Aチーム/Koncos…and more
28日(日)
BiSH/サニーデイ・サービス/Limited Express(has gone?)×ロベルト吉野/トクマルシューゴ/在日ファンク…and more
出演者、チケットなどの詳しい情報は、コチラをご覧ください

一覧へ戻る